★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【映画】パラノーマル・アクティビィ

f:id:tsuchinoko118:20110814073804j:image:left:w300ブレア・ウィッチ・プロジェクトと同様に超低予算(150万円)で制作されたエセドキュメタリー作品=モキュメンタリー映画。
ブレア・ウィッチがGPSを手に森を探検したのに比べ、監督の自宅だけで撮影した狭い作品だ。

同棲中のカップル、ミカ(男)とケイティ(女)は毎夜、不気味な音などの怪奇現象に悩まされていた。そこで正体を暴くべく高性能カメラを購入し、生活と夜の寝室を撮影することにした。そこに写っていたものとは!?
というストーリー。手持ちカメラの映像(Point of View)=POV で、延々と生活と寝室の映像が続く。

基本的には、音でビビらせようとする作風で、寝静まった静けさの中で、突然、ドンドンドン!という大きな音や、ケイティの叫び声がする。あとは、ひたすら、痴話げんかのシーンだらけ。

ブレアウィッチがそうであったように、POV と ケンカ。
f:id:tsuchinoko118:20110814073803j:image:right:w300
正直言えば食傷気味で「おいおいまたですか」と”あくび”が出る系の作品だ。日本公開時は著名人らが驚く(ビビる)暗視カメラ映像が多数バラまかれ「この作品は、相当怖い」という印象があるが、怖いというよりは、びっくりする、の方が正しい。

しーんと静まったところで、突然大きな音がしたら、誰でもびっくりする(笑)

この手の作品の根底にある「そんなに、大変なときに、なぜピントを合わせて構図のきまったカメラ撮影をしているのか」ということが気にかかって感情移入が出来ない方にとっては、まったく怖くないし、びっくりするどころか、おもしろくとも何ともない作品であることには間違いがない。
もし、本作が「低予算でつくられた」ということがなければ、こんなに知名度のある作品にはならなかったと思う。

しかしながら、絶妙のプロット(脚本)と、体当たり的かつ偶発的な演出・演技で、なかなかの作品には仕上がっている。とくに、ビビらせるのに重要な音響効果や、編集のタイミングなどは奇跡的といってもいいかも知れない。かのスピルバーグをして「この作品はリメイクできない」と、あきらめたというほどのパワーがある。
そのパワーは、トビーフーパーの奇跡の傑作「悪魔のいけにえ」にも通じるもので、たしかに観客を、その世界観に引き込む力はある。

f:id:tsuchinoko118:20110814073805j:image:left:w300最後のシーンには賛否両論あるようだ。(ネタバレになるが)
オリジナルでは、ミカを殺したケイティが何日もぼーっと突っ立っていて警察に発見されるというもの。それをスピルバーグに言われて撮り直したのが劇場公開版で、ミカを殺してカメラに投げつけたあと、ケイティがニヤっと笑って、とりついたらしい悪霊の顔になって終わり。その後発売されたDVDの別のエンディングでは、ミカを殺したあと自分の首を搔っ切って死ぬケイティというものがあるが、筆者的には、この別バージョンがふさわしいように思う。

それにしても、見所のまったくない作品でありましたな(笑)

(とはいえ、こわいものが苦手な方にとってはかなり怖いと思いますので、ご注意ください)