★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

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【音楽】中森明菜とテクノ

f:id:tsuchinoko118:20110809050342j:image:left:w220中森明菜といえば、松田聖子とタメを張っていたアイドルで第二の山口百恵という印象がある。そもそも民放のテレビ番組をあまり観ていなかった筆者が中森明菜というアイドルを知ったのは、細野晴臣作曲プロデュースの「禁区」であった。

曲の冒頭からシモンズの3連タムから入り、チープな8ビートのベタベタなシンセベースで進行し、あとは中森明菜の歌声に全てを委ねてしまうという作りの80年代初期のいかにもテクノなテクノ歌謡である。

今、もう一度聴いてみると、YMOの過激な淑女にそっくりではないか。
(調べてみると、当時、「禁区」と同時期に提供されたが不採用になり、YMOが再利用したとのこと。なるほど)

その後、中森明菜は近藤マッチとラブラブ自殺未遂などを起こしたようだが、筆者はあまりよく知らず、たまに耳にする歌声に、独特のエキセントリックな響きのある「歌手」なのだ、と、聴けば聴くほど認識するに至った。とくに、ロングトーンのビブラートは、彼女独特のものであり、一介のアイドルから脱皮するのは早く、あっという間に見事なミュージシャンに成長してしまった。

活動をしたり休んだり、はたまた、レコード会社とモメたりと、ロックミュージシャンのように(?)スキャンダルが多く、忘れた頃にトラブルネタで、その名を聞くということが長期間繰り返されているように思うのは、筆者だけでもないだろう。

f:id:tsuchinoko118:20110809050341j:image:right:w220基本的には「テクノ」でもなく「アイドル」でもなく「バラード」でもなく「歌謡曲」だけでもなくと、幅広く「歌姫」として活動する中森明菜であるが、1993年発表の「UNBALANCE+BALANCE」は、やたらとテクノしているアーティスティックな仕上がりのアルバムで、たいへん筆者好みであった。

と思ったら、作曲に小室哲哉坂本龍一・元CCBの関口誠人などが絡んでいて、制作陣がそのまんまテクノであった(笑)

驚かされるのは、やはり中森明菜の歌唱力。
こういった機械的なビートの中では、バック演奏に合わせて「歌う」というのが普通のことに思えるし、実際、そういう歌の方が多いものだ。ところが中森明菜は違う。あくまでも「歌」に合わせてバックが演奏するのだ。

本作での代表曲はやはり「愛撫」。
いつもの小室節なのに(笑)しっかり中森明菜節に染まっているのはどうしたことか(笑)これこそ中森明菜の実力なのである。

ここ数年は「フォークソング」に取り組み、昨年(2010年)秋頃からは、体調不良により活動休止・・・・ とのこと。またも復活され、20年ぶりの「テクノ」でもやってもらいたいものだ。