★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

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【映画】サランドラ

f:id:tsuchinoko118:20110808110839j:image:left:w2201977年米国作品。監督は、エルム街の悪夢でおなじみのウェス・クレイブン。このウェス・クレイブン監督、波が激しいというか、”いい”のを撮ったと思ったら、”なんじゃこれ”を撮ったり、とくに初期の作品は、わけのわからないのが多い。

そのウェス・クレイブン監督の初期の1本。

核実験場だった土地に退職警官の一家が旅行にやってきくる。そこで奇形の殺人鬼達に襲われる。

それだけの作品だ。

邦題は「サランドラ」だが、原題は「THE HILLS HAVE EYES」。2006年にリメイク版として R-18で公開されている。いわゆるスプラッターものだが、前作に比べ残虐度がすさまじく、ベトナム戦争枯葉剤被害者の写真を持ちだすなど極めて倫理的に問題があり、なんとか上映はしたものの TSUTAYA などではレンタル禁止になっている。という曰く付きのリメイク版だが、もともとの「サランドラ」は、そこまでひどくはない。スプラッター恐怖映画の小品とも言える、どうでもいいような作品だ。

しかし、例のごとく、配給の東宝東和が「ジョギリショック!」と銘打ち、「全米38州で上映禁止!。いま恐怖の頂点を極めて、戦慄のジョギリ・ショックがやってくる!」と、大げさに宣伝を行ったことで、話題となる(笑)

ジョギリとは、ギザギザの刃物で、ポスターにもデカデカと出ている、いかにも恐ろしげな殺人道具。牛刀を改造したもののようだ。これで、人体を切り裂くのかと、恐怖のるつぼに叩き込まれるのだが、このジョギリ。作品には全く登場しない(笑)


ポスターで、不気味な視線でこちらを凝視する男が、13日の金曜日のジェイソン、はたまた、バーニングのクロプシー(バンボロ)を連想させるが、作品中では、主役級ではなく、さほど登場しない。”奇形の殺人鬼”の一人で大した活躍もないうちに、犬にやられてしまう。

この邦題の「サランドラ」も、四精霊の一つを意味するらしいが、それは「サラマンダー」だ。

さらに当時の上映館では、恐怖の特殊音響効果「ダブル・テンション・システム」が使われたが、ふつうのドルビーだ。

東宝東和の宣伝のインチキが多すぎて、作品性うんぬんよりも、こちらが話題になってしまう変わった作品である(笑)