【音楽】Friend of Earth(F.O.E.)
YMOが散開して間もなく、演歌でおなじみのテイチクに、ノンスタンダードというレーベルが出来た。細野晴臣氏の仕業である。そのノンスタンダードから32ビート(32分音符)のやたらと細かく刻むリズムを持ち込んだ「S-F-X」というミニアルバムが細野氏自身の作品として発表された。このとき、こっそり「FRIEND OF EARTH」というクレジットが記される。
しばらくして後、細野氏と野中英紀氏を中心とした「FRIEND OF EARTH」という”バンド”というか”ユニット”が結成され、32ビート(32分音符)主体のテクノサウンドを「OTT」(Over The Top の略らしい)と名付け、ミニアルバム(というか12incシングル)「FRIEND OR F-O-E?」を発表する。その後、流動的にメンバーが入れ替わり立ち替わりしながら、ほそぼそと活動を行い、ジェームズ・ブラウン(JB)の「SEX MACHINE」をカヴァー。大胆不敵にも本人に歌って(叫んで)いただくという暴挙に出て、古くからのJBファンに大ブーイングを浴びる。その後2年もたたずに、細野氏が雪で滑って骨折したことにより活動終了。大した評判もなく FRIEND OF EARTH はあえなく終了したのだった。
サウンド的には、前述のように「32ビートのテクノ」なのだが、細野氏の作風というよりも野中氏の色の方がずいぶんと強い印象を受ける。16ビートでもずいぶんと、やかましい感じがするのだが、32ビートとなると、もっとやかましい。落ち着きのない破壊的な音が、これでもかこれでもかと繰り返され、歌詞には「Dance」という単語が散りばめられているが「Dance」どころではなく、むしろ、いらだちを感じるまでに過激である。ここまでくると、もともと情緒的なものを機械で的なノリのテクノも、機械の機械による機械のための音楽でテクノではないような気もする。だから、あえて OTT と名付けたのかも知れない。
筆者的には、Decline of the City あたりが、お気に入り。
また直接的には F-O-E の作品ではないのかも知れないが、S-F-X より Dark Side of the Star がお気に入り。
この2曲だけは、今も(笑)ヘビーロテーションである。
ヘビーローテションではないが Don't Wanna Loose My Soul は、もっとも F-O-E らしい(野中氏らしい)ので Youtubeにて、どうぞ。変な曲ですね(笑)