★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

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【映画】ペットセメタリー

f:id:tsuchinoko118:20110711062913j:image:left:w200スティーブン・キング原作の王道ホラー。

田舎町に引越ししてきたグリーズ家の愛猫チャーチがトラックに轢かれ死んだ。隣の家に住む老人は、先住民の秘密の墓地へ、猫を埋葬するよう促す。

翌日、死んだはずの愛猫チャーチは、何事もなかったかように帰ってくる。先住民の秘密の墓地、そこは、死んだ者が蘇える、呪いの地だった。

日をおくことなくグリーズ家の幼い息子ゲイジがトラックにはねられ死亡する。嘆き悲しむルイスは息子の遺体を秘密の墓地へ埋葬する。
キング原作のホラーの映画化作品には、名ばかりのへっぽこ作品も多いが、本作の描き出す恐怖は、とってつもなく純粋でリアル。風呂場に、ふいにあらわれるムカデのように、心の奥底にある「死への恐怖」「死への不安」に出くわす。

f:id:tsuchinoko118:20110711062912j:image:right:w200現象だけを追えば、それは「ゾンビ」なのだが、多くのゾンビ作品が、団体で襲ってくる軍団の恐怖を描いているのに対し、本作では、愛すべき家族が襲ってくる様を、繊細に、丁寧に描いている。

そして、観念的な死を、うまいぐあいに説明している。死は恐れるものではなく、迎えるものである。哲学の一行に納得しても、身近なものへの死は、ぬぐいがたい不安と恐怖に、包まれ、感情的に人を動かすのだ。

生理的に怖い作品。

ラストの後味の悪さも天下一品。

f:id:tsuchinoko118:20110711062911j:image:left:w220ちなみに、この頭が破壊された死体、こわそうな男は、大変親切で優しいゴースト(ゾンビではない)。こんなに怖そうなのに、本作の一服の清涼剤となっている演出がイカす(だから、明るい笑顔だ(笑))