★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【PC】Windows7 と XPモード

f:id:tsuchinoko118:20110709063636j:image:left:w200筆者は中小企業向けの業務用アプリケーションを開発している仕事に従事している。2〜3年に1度アップグレードされていく Windows OS を、その都度その都度最新のものを使ってくださる会社さんばかりなら、何にも考えないのだが、実際には、いまだに XP という会社さんも多い。なぜ Vista ではないのか、なぜ Win7 に移行しないのか、Vista や 7 の問題点は何かということよりも、XP で困ることがなく、XP から変える必要がない、ということが大きい。(それほど XP は よく出来た OS だったのだ)

さらに中小企業では自社開発アプリも動いているが、これが XPでないと動かない、という事情もあったりする。
筆者も 長い間(約10年(笑)) XP から 微動だにしなかったが、ついに Windows 7 に移行するにあたって(Vista は申し訳ないがすっとばした(笑))おつきあいのある企業様との関連もあり、何もかも”最新版”というわけにもいかず、いろいろと動作検証をすることを余儀なくされた。

結果としては、ほんどのアプリは Windows 7 でも、そのまま問題なく動作する。

互換モードというものがあるが、筆者の環境では、変にさわるとかえって不安定になるようで、せいぜい「管理者モード」で実行するくらいだ。

f:id:tsuchinoko118:20110709063633j:image:right:w200
例えばイラストレーターのVer8(古〜(笑))。これも Aero を切ってベーシックモードで動作させれば、印刷枚数の指定が効かないようだが問題なく動作する。(CSは重たくて使っていなかったのだが、そろそろ使ってみようかとも思っている)

例えばVisual Basic Ver6.0 の統合開発環境(IDE)も、管理者モードで起動すれば、最初は挙動がおかしい面もあったが、しばらくすれば普通に問題なく動く(なぜ、最初、挙動がおかしいのか、ナゾだが)。

f:id:tsuchinoko118:20110709063634j:image:left:w200
例えば、中小企業の業務アプリに多い ACCESS 2000。これも、問題なく動く。
もちろん Office 2000( Word,Excel)も、問題がない。Aeroを切っていれば。

ところが ACCESS 97 は、全く動作しない。
筆者が発見した?唯一の Windows 7 で動かないアプリケーションだ。
Visual Studio Ver6.0 でも、ACCESS 97 のファイル(AC97型のMDB)は開けるけれども読み出せない。読み出せないということは書き出しもできない。

これについて、Microsoft社は、コンバーターで 2003以降型にコンバートそれば読み出せるとしているので、AC97型MDBのデータファイルを利用したアプリは Windows 7 では全滅ということになる。
さすがに、14年も経過しているので、いたしかたないところもある。

しかしながら、長引く景気低迷で、そうカンタンに自社用アプリを(とくに費用的な事情で)Windows 7 対応にすることができない会社さんも多く、筆者に周囲でも、1社だけ ACCESS 97 型で動いているところがある。
これに対する「答え」として、XPモードを試してみることにした。

f:id:tsuchinoko118:20110709063635j:image:right:w200
パソコンの中に、パソコンをソフトで起動させる仮想PC=Virtual PC を、Windows 7 Professional 以上なら無料で使える。とはいえ「使える」というだけで、仮想化可能な CPU でないと、動作も遅く、実用には耐えがたいものなので、そこそこのマシンスペックは要求される。そこそこのスペックがあっても、起動は、おそろしく遅い。まず XP モードが使える仮想PCのソフトが起動し、そこから、パソコンの電源SWを ON にして XP が起動するのを模したわけでもないだろうが、そういう動きをするので、とにかく遅い。筆者の環境では Core i5 + 4GBのメモリ、512MBのメモリを積んだグラフィックアクセラレーターで、そんなに悪くないと思うのだが、恐ろしく遅い。(ゆっくりとコーヒーをたてて飲めば待てない時間でもないが)

しかし、アプリのショートカットを、C:\Document and Setting の ALLUser のスタートアップにコピペすれば、Windows 7 の スタートメニューにもショートカットが出来て、そこから起動すると、あたかも XPモードは存在しない Windows 7 アプリのように、動作するなど、いろいろと芸の細かいことをしてくれる。

そして、問題のアプリ ACCESS 97 が動作する。

XPモードで Visual Basic Ver6.0 を起動してやれば、要するに DAO 3.5 が問題なく動作し、AC97型 MDB を読み書きすることができる。


筆者や、筆者の関連企業で利用するアプリなど、については、今のところ ACCESS 97 以外に、問題のあるアプリは発見できない。(もちろん Aero を切っておく、管理者として実行するなどの工夫?は必要な場合もあるが)

その意味では、ついに OS そのものの販売もなくなった XP に、いつまでもしがみつかねばならない理由は見当たらないしACCESS 97 のような特別な事情がある場合でも XPモードで解決する。

筆者の周辺の会社さんでも ACCESS 97 のファイルが、800MBを越え、まもなく満杯になる(AC97 型 MDBの制限容量は 1GB)ので、長くても1年で、この状況は、いずれにしても改善しなくてはならなくなる。あと1年 XPで持てばよいのだ。

恒久的に XPモードを使うには、次期 OS で XPモードが存続するのかどうかもわからないし、あくまでも仮想PCというソフトウェアのエミュレーターで実現している技(笑)なので、不必要に高いレベルのマシンスペックを要求することになるのでムダも多いが、こうした「つなぎ」「延命」には、たいへん役に立つ。

当初、XPで動作していたアプリは Windows 7 では全滅という噂というか思い込みなどもあったが、ほとんどのアプリは、Windows 7 で問題なく動作する。そして 最悪の場合でも XP モードがある。

これで、筆者も、安心して(笑) Windows 7 への移行をオススメできる。

SP1 が出たのも、オススメできる大きな一つの要因である。