【映画】Dairy of the Dead
Night of the Living Dead(ナイト・オブ・ザ・リビングデッド)
Dawn of the Dead(ゾンビ)
Day of the Dead(死霊のえじき)
Land of the Dead(ランド・オブ・ザ・デッド)
ゾンビといえばジョージ・A・ロメロ。ロメロといえばゾンビ。Night(夜) Dawn(夜明け) Day(昼) Land(国) ときて、最新作は Dairy(日記)
Dairy of the Dead(ダイアリー・オブ・ザ・デッド)
”ゾンビ日記”と訳せば良いか。
Land のクランクインの頃から、ロメロ監督は「次は学生がビデオを持って撮り続けるみたいなのを撮りたい」と言ってて、正直「それ、おもしろいか?」と、半ばあきれていたところがあった。それでは、まるで、「ブレアウィッチプロジェクト」じゃないか、と。
ドーン・オブ・ザ・デッドのヒットを受けて、20年ぶりに製作された新ゾンビ「LAND OF ・・・」で、さらに調子に乗って、撮った感のある ゾンビシリーズの第5作目。
最近では、HAKAISHA(クローバー・フィールド)で、手法として確立された感があるPOV。一人称の誰かが、ビデオカメラを手持ちで撮った、というような演出で、ピントはボケるわ、常にフラフラして、なんとも不安定な映像が続くことになるが、独特の臨場感がある。
本作の公開当時は、ついに石川県では上映劇場がなくなり(笑)
ロメロ翁も、これまでか、と、思っていた(笑)
期待は大きく裏切られ、これが、おそろしく面白い。
信じられないほどに、面白いのだった。
LANDより面白いかも知れない。
冒頭から、あいかわらず、いきなり死体が起き上がり、人に噛み付く。一瞬であたりはパニックの様相を呈し、銃をもった警官が銃殺しようとするも、頭に当たらないと死なない。そうこうしているうちに、次の被害者が、そしてまた次の被害者が、と、あっという間にあたりはゾンビだらけに。
走らないし、大げさに恐怖を煽って追ってくるわけでもない。
ロメロゾンビは、ただ、ふらふらとゆっくり歩き、あたりまえのように人に抱きつき、人を食う。それはもう、美味そうに美味そうに、人肉をくちゃくちゃぺちゃぺちゃと食う。
人肉を食う以外は、これといって怖いところがあるわけでもないのに、噛み付かれたら最後、自分も、”ゾンビ”になるという感覚的な恐怖。それが、たくさん、じわじわと、自分に向かってくる恐怖、だけだが、怖い。
ストーリーは、「ある日、突然、死体がよみがえり・・・」
割愛(笑)
ある学生たちが、ミイラ映画を撮影していたとき、この異常事態は起きた。ビデオカメラを手に、学生たちは、事件の一部始終を生で撮影しようと、ひたすらビデオを回し続けた。
死体と、そして蘇ったリビングデッドと、そして脳を破壊されたリビングデッドの死体と。。。
生き残った”パニック”に陥った人々と、パンデミックの様相。
そして主人公の少数の学生たち。
「我々は、高速道路で事故があると、立ち止まる。しかし、それは、助けるためではなく、傍観するために、立ち止まる」
社会派ゾンビらしいセリフ。
[:200]ロメロ監督が、いまもなお、健在であることを思い知らされた。
なお、残虐シーンは、過去作の集大成ともいえるもので、なおかつ、現代の最新特殊メイクなどで造型されている。
以前の作品とちがって、それを、直接「これでもか、これでもか」と見せ付けるのではなくチラリと見える、一瞬だけ見える、隠した向こうで見えるなど、演出的に技巧が凝らされており、なおいっそうの恐怖がある。
こりゃすごい。
劇場で見たかった。。。。。
でも、POVって、酔うんですよ。。。。 いや、ほんと。