★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【映画】Dairy of the Dead

f:id:tsuchinoko118:20080318142956j:image:left:w200Night of the Living Deadナイト・オブ・ザ・リビングデッド
Dawn of the Dead(ゾンビ)
Day of the Dead(死霊のえじき)
Land of the Dead(ランド・オブ・ザ・デッド)

ゾンビといえばジョージ・A・ロメロ。ロメロといえばゾンビ。Night(夜) Dawn(夜明け) Day(昼) Land(国) ときて、最新作は Dairy(日記)

Dairy of the Dead(ダイアリー・オブ・ザ・デッド)

”ゾンビ日記”と訳せば良いか。

Land のクランクインの頃から、ロメロ監督は「次は学生がビデオを持って撮り続けるみたいなのを撮りたい」と言ってて、正直「それ、おもしろいか?」と、半ばあきれていたところがあった。それでは、まるで、「ブレアウィッチプロジェクト」じゃないか、と。

ドーン・オブ・ザ・デッドのヒットを受けて、20年ぶりに製作された新ゾンビ「LAND OF ・・・」で、さらに調子に乗って、撮った感のある ゾンビシリーズの第5作目。

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最近では、HAKAISHA(クローバー・フィールド)で、手法として確立された感があるPOV。一人称の誰かが、ビデオカメラを手持ちで撮った、というような演出で、ピントはボケるわ、常にフラフラして、なんとも不安定な映像が続くことになるが、独特の臨場感がある。

本作の公開当時は、ついに石川県では上映劇場がなくなり(笑)
ロメロ翁も、これまでか、と、思っていた(笑)

期待は大きく裏切られ、これが、おそろしく面白い。
信じられないほどに、面白いのだった。

LANDより面白いかも知れない。

冒頭から、あいかわらず、いきなり死体が起き上がり、人に噛み付く。一瞬であたりはパニックの様相を呈し、銃をもった警官が銃殺しようとするも、頭に当たらないと死なない。そうこうしているうちに、次の被害者が、そしてまた次の被害者が、と、あっという間にあたりはゾンビだらけに。

走らないし、大げさに恐怖を煽って追ってくるわけでもない。

ロメロゾンビは、ただ、ふらふらとゆっくり歩き、あたりまえのように人に抱きつき、人を食う。それはもう、美味そうに美味そうに、人肉をくちゃくちゃぺちゃぺちゃと食う。

人肉を食う以外は、これといって怖いところがあるわけでもないのに、噛み付かれたら最後、自分も、”ゾンビ”になるという感覚的な恐怖。それが、たくさん、じわじわと、自分に向かってくる恐怖、だけだが、怖い。


ストーリーは、「ある日、突然、死体がよみがえり・・・」

割愛(笑)

ある学生たちが、ミイラ映画を撮影していたとき、この異常事態は起きた。ビデオカメラを手に、学生たちは、事件の一部始終を生で撮影しようと、ひたすらビデオを回し続けた。

死体と、そして蘇ったリビングデッドと、そして脳を破壊されたリビングデッドの死体と。。。

生き残った”パニック”に陥った人々と、パンデミックの様相。

そして主人公の少数の学生たち。


「我々は、高速道路で事故があると、立ち止まる。しかし、それは、助けるためではなく、傍観するために、立ち止まる」

社会派ゾンビらしいセリフ。

[f:id:tsuchinoko118:20110701094659j:image:left:200]ロメロ監督が、いまもなお、健在であることを思い知らされた。


なお、残虐シーンは、過去作の集大成ともいえるもので、なおかつ、現代の最新特殊メイクなどで造型されている。
以前の作品とちがって、それを、直接「これでもか、これでもか」と見せ付けるのではなくチラリと見える、一瞬だけ見える、隠した向こうで見えるなど、演出的に技巧が凝らされており、なおいっそうの恐怖がある。

こりゃすごい。
劇場で見たかった。。。。。

でも、POVって、酔うんですよ。。。。 いや、ほんと。