★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

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【映画】ダークシティ

f:id:tsuchinoko118:20110601065423j:image:left:w240漆黒の闇が包む夜の町”ダークシティ”。1人の男が殺された娼婦の前で目覚める。「俺が殺したのか。俺がやったのか」犯した罪に怖れおののき自己否定しているわけではない。まったく覚えがないのだ。

記憶喪失の男は、その直後から、ストレンジャーと呼ばれる前衛舞踏集団のような白いスキンヘッドの黒づくめの男たちに追われる。

閉ざされた闇夜の続く町、なにもかもが思い出せない謎だらけの中、男は、自分探しの旅を続ける。すべての謎が解けたとき、いったい何が起こるというのだろうか。

わりと基本的なセオリーの中で繰り広げられる、アレックス・プロヤス監督お得意のSFサスペンスである。アクション映画であり、刑事ドラマであり、自分探しのサスペンスであり、そして、ストレンジャー(異邦人)たちが”見えない力”で人類を襲い、町をモーフィングで”チューン”する。


主人公が”見えない力”=”チューン”で闘うクライマックスは圧巻の一言。1級のSFである。


f:id:tsuchinoko118:20081013182809j:image:right:w260架空の都市、つくられた記憶、黒づくめの追跡者など、公開された時期のこともあり、マトリックスと比較されやすい題材ではある。めだたない主演俳優ルーファス・シーウェルが主人公だったり、悪役にロッキーホラーショウのスタッフを採用していたり、あえて選んだかのようなマイナー路線(マニアック路線)の俳優群もあって、大ヒットはしなかったようだが、プロヤス監督の趣味の良さを十分に堪能できる快作として仕上がっている。

最初から最期まで、まったく照らさない太陽のせいで、陰鬱で暗く目を凝らしても良く見えない「ダークシティ」。そして徹底した緊迫感の連続の手法は、”アイ・ロボット”につながっていくのだ。


主演はルーファス・シーウェルだが、脇役には、ジェニファー・コネリーウィリアム・ハート、そして、米国連続ドラマ24で、押しも押されぬ人気俳優として名を馳せたキーファー・サザーランドが不気味な医師として登場している。個性派揃いの演技合戦も本作の魅力である。