★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【映画】レギオン

f:id:tsuchinoko118:20110522064605j:image:left:w2602010年5月公開の米国作品。

ある日、人間のあまりの悪行に、ほとほとあきれ、ついに堪忍袋の尾が切れ怒った神は、いきなり大天使の軍団を地上に送り込み、人間どもを滅ぼすことにした。
子なるイエスを地上に送り、イエスの血の購いによって、和解したはずであったが、本作レギオンでは、最初から「和解」する気が全くなく、無条件に人間を滅ぼす強行 策で始まるところが、すごい(笑)
しかも、自滅とか、外国とか、天変地異ではなく、天使=神の御使いを派遣するというから、驚きだ(笑)

とあるダイナーで婆さんが異形の化け物に変身したかと思うと、虫の大群がダイナーを囲んだ。そのとき、やたらと武装した男が「マイケル」と名乗り出た。このマイケル、実は、大天使「ミカエル」だった。(注:ミカエルを英語発音するとマイケル)

ミカエルは、神の命令を裏切り、人間のために大天使軍団(レギオン)と戦うという。

f:id:tsuchinoko118:20110522064606j:image:right:w240日本では平成ガメラ2(レギオン襲来)で新約聖書のマルコによる福音書第5章「我が名はレギオン」が取り上げられ一躍有名になったことがあってか、レギオン=悪霊の軍団の呼称であるかのように捉えられている向きもあるが、レギオンは、もともとローマ軍団のことを指す一般名詞のようなもの。単に「軍団」の意味であると思えば良く、本作の「レギオン」も、たしかに悪霊のような描写が多いが、「大天使の軍団」の意であると考えれば、間違いがない。

その大天使を、ミカエルは、殴る、蹴る、銃で撃ち殺す。

おおよそ、天使に似つかわしくないガラの悪い暴力で戦う ミカエル。
剣で突かれた天使から血しぶきがとぶ。

裏切り者のミカエルを討つために現れたのは、ミカエルの兄貴 ガブリエル。

なんだか、デビルマンのような話しになってきたが、ともかく、銃で戦うのだ!
もうちょっと、なんというか、神々しい武器はないものか。

ミカエルは、神が人間を滅ぼすというように、その神に逆らい天使たちを裏切った天使。
ガブリエルは、神の命令通り、忠実に人間を滅ぼそうとする天使。

f:id:tsuchinoko118:20110522064607j:image:left:w240両雄の戦いは、圧倒的強さでガブリエルが勝利する。
ミカエルは死ぬ。

この天使と人間の生臭くガラの悪い対比は、「プロフェシー」あるいは「ゴッド・アーミー」に通じるものがある。
また、独りの神側の人物が裏切るという描写は「タイタンの戦い」に通じる。
よくよく見ると、どこかで見たようなシーンだらけなのだが、けっこう面白い。

あらすじだけ聞くと、キリスト教っぽい内容のように見えるが、内容は、ただのバイオレンスアクションだ。わざわざ背中に羽をはえさせて、空を飛ぶのに、カーアクションと殴る蹴る
銃で殺す、という斬新な演出が、なかなか笑わせる。


物語の最後、死んだはずのミカエルは、天使として甦り再登場を果たす。
「裏切り者なのに・・・」驚くガブリエルに、ミカエルは「それこそ神のご意志だ・・」とつぶやく。
ミカエルは人類を愛していた。神もまた人類を愛している。
それゆえ、神は人類に試練を与え、訓戒を与える。父のように。

「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」(ヨハネによる福音書 3章16節)