★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

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【映画】ナイトウォッチとデイウォッチ

f:id:tsuchinoko118:20110516165902j:image:left:w260公開当時「ロシアのマトリックス」と銘打たれたダーク・ファンタジーが「ナイトウォッチ」。

一人の女が呪われて災いの女となった。彼女の周りでは次々と不幸が起きた。そして光と闇が生まれた。災いの女は再び世にあらわれ、そのとき、偉大なる異種があらわれる。

人間でありながら特殊な能力を持つ”異種”=アザース。光の異種は、闇を監視し、ナイト・ウォッチと呼ばれ、闇の異種は、光を監視し、デイ・ウォッチと呼ばれた。均衡を保っていた二つの異種であったが、ある日、伝説の「災いの女」が現れる。

「マトリックス」というよりは、吸血鬼やオオカミ男をからめた「X−MEN」に近い。

たしかに「マトリックス」を模したようなエフェクトが多く見られるのだが、この部分は、予算が不足しているためか、「マトリックス」には遠く及ばず、むしろ、うざったい気がする。

しかし、光の軍団 vs 闇の軍団という設定、あくまでも舞台は現代、そして”偉大なる異種”のナゾ解き要素、さらには、主人公アントン(光の異種)と、偉大なる異種は親子関係、などなど、そのストーリーには、おもしろさをたくさん詰め込んである。それでいて、原作がしっかりしているせいか、脚本+演出が上手いせいか、退屈せずに楽しめる快作に仕上がっている。

そして第2作へと続く。

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第2作は「ナイトウォッチ2」 ではなくて、「デイウォッチ」。

前作の大ヒットを受けての予算アップで、CGや特撮、つまりVFXが格段にレベルアップ。バトル・アクションが、ずいぶんと豪華になった。ただし、予告編で登場する激しいアクションシーンのVFXの、ほとんどは、ストーリーの根幹とはあまり関係しない箇所で、ふんだんに使われていて、よくわからない。監督のセンスか?

ともかく人間以外の”バンパイヤ”などの”亜種(アザース)”の戦いを描く。

光の亜種と闇の亜種との戦いは休戦協定により、一見、おだやかに微妙なバランスを保っていたが、「偉大なる亜種」の出現によって、大きく様相が変わろうとしていた。光の亜種である主人公アントンの息子イゴールは、闇につき、前作で「呪いをかける」不幸の女スヴェトラーナは、光についた。イゴールとスヴェトラーナ。ふたりの亜種は、伝説の「偉大なる亜種」。出会えば、一触即発。光と闇の休戦協定は破棄され、決戦
が始まる。そして、世界は闇に包まれる。

どうにか協定を破棄したい闇の罠。バトル・アクションでありつつも頭脳戦が繰り広げられるサスペンス調の展開も好感がもてる。

前作・ナイトウォッチで、どういうわけか「フクロウ」だったオリガの過去、バンパイアな息子の秘密、恋あり、笑いあり、VFXありと、2時間ちょいを一気に見せるエンターティメントである。

物語の核となるのは「運命をやりなおせる」という”運命のチョーク”

最後は、運命のチョークの争奪戦になるのかと思っていたら、偉大なる亜種の決戦が、丁寧に描かれ、驚きの結末を迎える。(予定調和でもあるのだが、「ええ!?それ、やっちゃったら、1作目も2作目もご破算になっちゃうでしょ!?」という結末)

次回作「トワイライト・ウォッチ(仮題)」に、どう、つながるのかが
さっぱりわからないまま、「トワイライト・ウォッチ」の製作予定は今のところないようだ。

では、やはり、「なかったことにする」2作目で終わりなのか。

このあたりは、よくわからない。