★ The Tsuchinoko News 2 (つちのこ通信2) ★

重要な話から、どうでもいいことまで。ほとんど役に立たないことを書き連ねています。

【音楽】なつかしのPSY・S

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80's 時代も半ば頃になると、「サンプラー」というデジタル楽器が登場する。
 (アナログのテープ再生を利用したものを、デジタル化しただけなのだが)
とかく、この頃、アナログが中心だった”電子楽器”は、次々とデジタルに様変わりをする。
TM-NETWORK が DX-7 を山積みにして、EOS に取って代わろうとしていたころ、1200万円する デジタル・サンプラー フェアライトCMI シリーズⅡが、日本にやってきた。
 
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スペックこそ 8Bit の 44KHz 程度と、いまのMP3からしても、ものすごく低い性能のサンプラーであったが、見た目はコンピューターに鍵盤がついているような姿、ライトペンで、画面をなぞって波形をかくと、そのまま発音したりと、ユニークな(意味不明な)?機能が満載で、現在のDTMの原型とも言われる形状・仕様をしておりアートオブノイズ、坂本龍一などが、こぞって、この 1200万円の音を出していたりした。
低スペックの音、独特の、カコカコした、エッジの強い、つんざく耳障りな音が、印象的だ。

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そんなころ、今で言う J−POP界に、この CMI を、これ見よがしに前面に押し出し、踊るカラオケという、よくわからないテクノポップユニットが登場した。

背が高く、なんだか眠そうな顔をしている 松浦雅也
背が低く、元気よく飛び回りそうな 安則まみ(チャカ)。

二人組のユニットは、この CMI でポップ・サウンドを構築、PSY・S として活動を開始する。


はじめて聞いたのは、「時計がまわれば〜」でお馴染みの BRAND NEW MENU という
曲だったが、印象としては、「なんと、ドラムのわかっていないやつだ」「なんと、耳障りな
固い音だ」「なんと、棒読みの歌だ」、と、大変悪い印象をもったことを覚えている。

「どうだ!CMIだぞ!」というようなキンキンカンカンの音。

しばらくして、TVアニメシティハンターだったかのテーマソングになったようで、この頃からブレイクする。(したようだ?)

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時代は「テクノ」を求めず、イカ天などが流行しだすと、次第に、この耳障りな CMI の音もなりを潜め、生っぽさが前面に押し出されることになる。

そして、1985年〜1996年までの、約10年間つづいた PSY・S は、ひっそり解散。

松浦氏は、ゲーム・ミュージックに。
安則氏は、もともと、ジャズシンガーだったようで、もとのジャズシンガーに戻る。


そんなに、いうほど、売れたバンドもないので(売れた?よく知らない?)解散して15年も経過すると、さすがに CD(音)そのものが、存在しなくなってきた。フェアライト CMI の音は、どんどん、この世から消え失せていくのだ。


と、思っていたら、昨年、知らないうちに、「GOLDEN BEST(シングルコレクション)」が再発されていた。

 「Blue Spec CD」という Blue Ray の ディスクにカッティングした CD という豪華版だ。
 
 ディスク:1

   1. Teenage
   2. BRAND-NEW MENU
   3. アナザー・ダイアリー/ANOTHER DIARY
   4. Woman・S
   5. サイレント・ソング
   6. Lemonの勇気
   7. Angel Night~天使のいる場所
   8. 薔薇とノンフィクション
   9. Parachute Limit
  10. ファジィな痛み/Fuzzy Pain
  11. Wondering up and down~水のマージナル~
  12. 遊びにきてね
  13. Kisses
  14. CHILD

 ディスク:2

   1. Friends or Lovers
   2. 電気とミント (MOVIE MIX)
   3. あさ~from day to day
   4. Moonshine
   5. 青空は天気雨 (Live)
   6. 青空がいっぱい
   7. 花のように
   8. be with YOU
   9. Christmas in the air (Live)
  10. From The Planet With Love (Live)
  11. TOYHOLIC (Live)
  12. 私は流行、あなたは世間 (Live)
  13. Monster’s Dance/BLOOD RUNNER (ボーナス・トラック)
  14. TINKER BELL (オルゴール・ヒット・メドレー)


たぶん一番売れたのは「Friends or Lovers」あたりだろうか。ともかく、全28曲。

さっそく聴いてみると、ああ、これこれ・・・ フェアライトCMI の カンカンうるさいスネアドラム。不必要に自己主張するバスドラム。ボーカルをかき消してしまうほど耳障りなピアノ風の音。ドラムを知らないように「人間が演奏できない」フィルインが多様 されている。これこそ PSY・S

もちろん、あの、天空に突き抜けるチャカの歌声も、この、耳障りなCMIのサウンドに、よくマッチしていて、これも、PSY・S

80'sの音といえば、タンス(E-muシステム)や、ムーグのアナログ群に、DX-7 と CMI のデジタル群。
そして、「CMI をカラオケとした チャカ」の形容がピッタリの PSY・S。

わたし、けっこう好きだったりしますよ・・・・いまだにヘビーローテーション

すみませんね、いつも、やたら古い話ばかりで・・・