【会長】フーズフォーラス 徒歩５分

私は、株式会社エヌジェイシー会長。

最近、焼き肉居酒屋店で出されたユッケを食べたお客が集団食中毒を起こした事件が世間を騒がせている。

生肉、とくに牛肉は、たいへん危ない。

焼き肉店で出されるユッケは生肉を使っているので、相当厳しい衛生管理が行われていると思っていたが、実は、国（厚生労働省）の管理基準が厳しくなった2008年以降、生の牛肉は出荷さえされていなかったそうで、基準外の肉＝生食用ではない肉を、生で出していたという実態が明らかになった。

食中毒事件は、ついに死者も出し、４人もの方が亡くなった。

悼みます。

また、多くの食中毒となられた方には、心よりお見舞いを申し上げます。

死者を出したのは、焼肉酒家えびすを２０店舗出す石川県金沢市の株式会社フーズフォーラス社。社長の涙声で土下座するシーンがメディアで繰り返し放送された。

この株式会社フーズフォーラス。石川県金沢市ということで、私が会長を務めるエヌジェイシーと同じ市内にあるらしいのだが、驚くことに、当社より徒歩５分のところにあることがわかった。

フーズフォーラス社も、当社も、〒921-8011 石川県金沢市入江２丁目である。

当社より眼下を見ると白い建物があり、そこがフーズフォーラス本社だというのだ。毎日、見ているのに、全く知らなかった。
よく見ると、たくさんの人だかりが出てきている。

さっそく５分歩いて行ってみると、ＮＨＫの巨大なアンテナカーや、カメラを持った、たくさんの人がカーテンを下ろしたフーズフォーラス社の中を、隙間から撮影しようと必死の形相であった。
社屋は、フーズフォーラス社の所有ではなく賃貸のようだ。また、ポストの記名も、テプラで作って貼ってあるだけで、若い会社であることがよくわかる。たしかに、焼肉酒家えびすも、急に増えた感があり、最近、都心部にも出店したというから、成長を焦っていたのかも知れない。

聞くと、フーズフォーラス社のモットーは「得るより与えよ」。

商売の場合、与えれば必ず報酬を得ることになり、その得た報酬をもって企業の成長というわけだから、この「与える」は、言葉でいうよりも大層難しい。

お客様は、安さを求める部分もあるが、だからと安易に、必要な管理の手を抜いたように、基準外（生食用ではない）生肉を、生食用として供して、安さを歌ったとしても、結果的に、お客様の健康に、または、いのちまでも失うような事故になるのであれば、「与える」ことにはなっていない。

他店も、また、多くの既存焼き肉店も同じようなことをしているようなので、結果的にはということにしかならないが、「得る」ために（品質を落とし、利益を得て企業の成長を急いだために）起きた事故であるとも言える。

私も、小さな一企業の経営者として、考えさせられることが大変多い。

当社は、お客様に生食用牛肉を供する会社ではないが、お客様に安心の高い品質の商品を供するよう、さらに精進したいと思う。

精進のために、まずは、もみもみで心を落ち着かせよう。

では、諸君、また会おう。